アクアリウムで光について言うと、基本は水草ですよね。 とにかく赤と青が重要です、と。 でも、魚についてはどうなの?と思ったのでGoogle先生で調べてみたところ、物凄くピッタリなデータを見つけました。
2012年と比較的新しい論文なんですけど、当時の高校生が書いたやつです。 高校生の割にすごくしっかりした内容なんですよね。 尊敬します。
それで、この論文には「つくば生物ジャーナル」と書かれているので、たぶん筑波大が管理しているジャーナルなのかな? 信頼できそうな内容な気がします。
ライトの波長はメダカに影響を与えている
この論文によりますと、メダカはライトの色によって成長具合と健康状態が変化するみたいです。 成長については孵化までの時間やその時のサイズについても含まれています。
そして結論から言ってしまうと、「赤」が一番元気になる良い色らしく、最悪なのが「青」ということになります。 特に青いライトの元で飼育した場合、死亡率や奇形率が顕著に高くなってしまうそうで、このデータには驚愕します。 また、孵化後の成長に関しては「白」が一番成長率が悪いようです。 不思議です。
とにかく赤い波長が重要みたいです。 いやぁそれにしても、白や青はアクアリウム向けライトでは一番使われている波長なんですよねぇ…
やはり屋外飼育が一番?
論文の「2. サケ・メダカの初期発生への光の波長の影響」の終わりの方に掲載されているグラフもまた面白いです。
これはメダカの死亡率についてのグラフなんですが、見れば一目瞭然です。 ライトを使用した場合、一番良いとされる「赤」であっても死亡率が35%なんですが、日光だと3%まで圧縮されます。 圧倒的な差です。
もちろん「青」はもっと悪い結果になるんですが、ライト全般であまり良い結果とは言えなくなっているので、ライトの色の違いの他にも紫外線の有無や光の強さが関係している気がします。
僕的には光の強さが強く影響している気がします。 太陽光の前ではどんなLEDライトであっても豆粒みたいなものですからね。
まぁいずれにせよ言えることは、自然に近い状態で飼育する程、よく育つということなんだと思います。
青いライトを浴びるとおかしくなる?
論文とは別の人による実験レポート(どこかの大学のレポート?何で見れるんだろう…)も興味深いですよ。
このレポートによれば、水槽内で複数色のライトを同時に照射すると、メダカは青いライトの下には集まらず(避ける)、やはり赤いライトの下に集まる傾向が見られることが書かれています。 ただ、孵化後から青いライトを浴びて育てたグッピーの例では、グッピーの性質が変わってしまう様子がデータとして出ています。 時間の経過と共に、青いライトの方へ集まるように変わってしまうようです。 グッピーもメダカと同じ種らしいので、メダカで実験しても同じようになるかもしれないです。
青いライトの有害性については前述の論文でも考察されていましたけど、「好む色が変わってしまう」という現象は、どこか気持ち悪く感じます。
結論
結論としてはメダカを育てる場合は日光が一番良くて、もし室内で飼育するのであればライトの色は赤っぽくしたほうが良いということになりそうです。
実際、これを知る以前は比較的青っぽいライト下でメダカを育てていたんですが、そこから生まれた稚魚達は結構奇形が多い気がするんですよ。 今でも稚魚水槽には、合計で50匹から60匹くらいいるんですが、既に5匹、背中が曲がっていたり、尾ひれが短くなってしまっている個体が確認できてます。 ですので、奇形率はおおよそ10%行くかどうかという値です。 死んでしまった稚魚も結構いるので、それを含めたらもっと高い数値になるかもしれません。
人間だったら、奇形率10%はさすがにヤバイと思うので、たぶんライトの影響がもろに出ちゃってる気が…
ライトの設定を変更してみました
今回の内容を受けて、早速ライトの色を変えてみました。
色温度4000K(ケルビン)という夕暮れ色から、ADAのライトのような若干緑がかった色へ、そして再度4000Kへと戻るように、ライトの色が時間と共に徐々に変化するようプログラムを書いてみました。 一日の変化を平均すると、だいたい6000Kくらいになるのかな。 ま、今までと比べると相当赤いです。 とにかく雰囲気が変わりすぎて、「これメダカ水槽?」って言いたくなる色味。
なんにせよ、この論文と実験レポートの作者には感謝ですね!
以上、今日はこれにて!