発酵式CO2が室温に敏感すぎてあまりに不安定なもんで、とうとう僕も買っちゃった。
化学式CO2生成とは?
これについては色々なところで説明されてるので、超簡単に説明するに留めます。
化学式のCO2生成とは、クエン酸と重曹を1:1の割合で混合し、そこに定められた量の水を加えることでCO2の生成を行う方法です。 発酵式と違い、生成されるCO2は無臭です。
PRO-D701sの評価
使用感は物凄く良いです。 材料の入手難易度やそのコスト、運用の手軽さを考えれば、導入する価値は大いにあるはず。(90cm規格以下の水槽の場合)
添加量が常に一定
この装置は発酵式CO2と違って、設置後約48時間で全ての化学反応が行われる仕組みになっています。 発酵式のようにダラダラ反応が続くタイプではありません。
まぁそんな理由から高圧に耐えられるボンベが必要になったんだと思いますが、このような特性からレギュレーターの利用が可能となり、添加するCO2量を自由に調整することができるようになっています。 しかもこれは一度調整すれば基本的には大きく狂うこともないので、発酵式と比べると圧倒的に楽です。
維持費は安い
画像から分かるように、次の設定(d701sでの最大量)で運用した場合、約120日継続します。
- クエン酸と重曹をそれぞれ400g
- 水600g
- 2秒で1滴(40~60cm規格で運用する場合)
- 1日8時間
材料は100均で手に入るので、この設定だと4ヶ月で約400円(約100円/月)とほんの少しの電気代となります。 初期コストは確かに高く感じるかもしれませんが、この完成度を前にするとやはり安く感じざるを得ません。
注意すべきは、必要なCO2量の多くなる90cmより上の水槽での場合です。 交換サイクルが最長でも1ヶ月と、かなり短くなってしまうそうです。 もしミドボンの調達・利用が容易な環境にあれば、ほとんどメリットがないと思われます。
付属の拡散器が秀逸
今まで使ってたのは一体なんだったんだろう…
小型ボンベの使用シーンの動画とかも結構見てたりして、自分の発酵式CO2の出方はそこまで悪くないという認識だったんですけど、この付属の拡散機(ディフューザー)には目からウロコでした。 泡の細かさが桁違いで、同じCO2とは思えないレベル。
材料交換は思ったより簡単だった
5月にCO2が切れたので、交換したのでその時の感想をメモ。
説明書の方にはレギュレーターがボンベから抜けなくなるリスクが明記されていますが、僕の場合、特に問題なくスパッと抜けました。 そしてボンベの底には副生成物のクエン酸三ナトリウムの塊がありました。 表面がザラザラで部位によってはかなり鋭くなっていたので、素手で無理やり取ろうとするのは危険そう。 これは説明されてるように、熱湯をボンベ内に注ぎ、溶かすようにして取り出すのが一番でしょうね。
ちなみに熱湯を入れるとボンベの方もすぐに熱くなるので注意です。 金属の熱伝導率の高さを実感できます。
ボンベが空になったら、レギュレーターのネジ部分の掃除とパッキン等の部品の破損チェックをして、もう一度材料を入れる流れになります。 今回は初回と違って材料を400gずつ使用したので、次回の交換は半年後の予定です。
気になるところ
ボンベを閉じる時の加減が難しい
設置までの段階で唯一難しいと感じたのは、ボンベを締める時。 ここを強く締めすぎると固着して開かなくなると注意書きがあるんです。
なので説明通りにCO2が漏れない程度で止める訳なんですが、ボンベの圧力は時間と共に高まる仕様です。 少し時間が経ってから確認するとちゃんと締めたはずなのにCO2が漏れちゃってる…という事案が発生してしまいました。 さすがに目印とかは付けようがないので、ここばかりは感覚に頼らざるを得ない仕様となってます。
いまのところ寿命が不明なこと
この商品には意外と消耗品と位置づけられているパーツが多くあります。
- ワンタッチ継手(BMT0315-3300E)
- レギュレーターD701s用パッキン(BMT0315-0170E)
- ドライビーズ(BMT0315-5410E)
- バブルカウンターパッキン(BMT0315-5315E)
どれも数百円で手に入る安価な物です。 良心的です。
この中で特筆すべきはドライビーズですね。 相当注意すべきアイテムなんだと思われます。 寿命に直結する的な内容が説明書に書かれている程なので。
また、消耗品以外のパーツの寿命がどれくらいなのかはまだまだ情報が少なく、サッパリ分かりません。 データが出尽くされるまで数年待つか、敢えて自ら人柱になるかの二択ですね。
バブルカウンターの水が蒸発する
バブルカウンターの水は設置から2週間もすると、自然蒸発で空になってしまいます。 しかしCO2添加量は一度調整すればそうそう変わりませんし、水を入れること自体も簡単な仕組みになっているんで、これについて気を揉む必要は特にありません。
化学反応に使う水は冷水で
使う水の水温が高いと、一気に反応が始まり、ボンベに栓をする前に吹き出てしまうらしいです。
僕は導入したのがちょうど真冬でしたので、水道水の水をそのまま使っても全く問題がなかったです。 ちなみに、その時の水温は約10度。
シリコンチューブは使用禁止
CO2が漏れるらしく、シリコンチューブは使用しないほうがいいとの説明があります。 今の水槽用のエアチューブはほとんどがシリコンチューブみたいなので、水槽用以外から探してくるか、素直に耐圧チューブで統一したほうが早いかもしれません。
販売元の”HARU DESIGN”について
福岡県にあるアクアリウムの空圧パーツ専門店とのことで、ホームページには国内の幾つかの水族館との取引実績が明記されてます。 実績を考えれば、ちゃんとした会社と考えて間違いなさそうですね。 実物のボンベには中国語で書かれたシールが貼られているので、製造は中国委託でしょう。
僕はサポートの強いAmazon経由で買いましたけど、楽天やヤフーでも販売されているようです。
以上、今日はこれにて!