最初、僕が熱帯魚に手を出せなかったのはヒーターが理由でした。 どう考えてもエコじゃないんですよ。 ヒーターが使い捨てなんて。 でも、オトシンクルスをどうしても飼いたいという理由でヒーターを探してみるんですけど、どうにも製品レベルが低すぎる印象。
特に解せなかったのがサーモスタット。 オートヒーターと言ってヒーターにサーモスタットが内蔵されている商品が一般的のようで、実際売れ筋商品は大抵これですね。 ただ、これだと「ヒーターを捨てる=サーモスタットも捨てる」という構図になる訳だから、最高にエコじゃない。 せめてサーモスタットくらいは別で用意したいところですよね。
しかし、ここにも問題が。 なんと、温める場合と冷やす場合とでそれぞれ別売りになっているという…。 プログラム的にはそんな難しい処理じゃないと思うんだけど、さすがにそれはあんまりじゃないですか…?
こんなことを嘆きながら他国の商品で何かないかと探し始めたところ、めちゃくちゃ良いのが売っておりました。 しかも日本国内でも普通に買えるという。
ということでレビューです。
Inkbird ITC-308という最新サーモスタット
Inkbirdという中国深センにある新興メーカーの商品になります。 僕はアクアリウムに使う訳ですが、公式HPやアマゾンの商品説明にあるように、ビール醸造やビニールハウスでの植物栽培、ペットのための室温管理など、想定されている使用方法は多く、万能感があります。
また、見て分かるように温度が2つ表示されていて、ボタンが3つあるだけのシンプルな設計です。
この商品はセンサー部分がプラスチックでなく金属製になっているので海水には使えないんですが、AliExpressではプラ製のも買えるので、どうしてもという方はそっちで購入しましょう。
仕様
項目 | 内容 |
---|---|
対応温度 | -50~120℃ |
最小単位 | 0.1℃ |
精度 | ±1℃(−50~70℃) |
入力電圧 | 100~240V AC |
出力電圧 | 最大10A 100~240V AC |
入力ケーブルの長さ | 1.5m |
デジタル仕様&現在の温度も一目瞭然
国内で販売されている水槽向けサーモスタットは、ほとんどがデジタル液晶画面を備えておらず、仮に付いていたとしても設定温度が表示されるに留まっていたり、あまりにも値段が高かったりする。
その点この商品は、現在の温度(PV)と設定温度(SV)の2つが常に表示される仕組みになっていて、これまで別途必要だった水温計が不要になるというメリットがあります。
冷温両用です
このサーモスタットは冷温両用です。 冷やす場合に使う機材と温める場合に使う機材のためのコンセント差込口がそれぞれ用意されています。
温度管理は3つの設定項目が用意されていて、1つは絶対的な温度のための設定です。 残りの2つは「その絶対温度から何度離れたら、冷却装置あるいは加温装置をONにするか」のための設定項目になります。
例として、絶対的な温度を26℃、加温のための温度を1℃、冷却のための温度を2.5℃という設定の場合で考えると、水槽の温度が25℃になると加温が始まり26℃になった時点で加温は停止します。 逆に28.5℃まで水温が上がってきた場合は、冷却装置のスイッチがONになり、一旦26℃に下がるまではONのまま、ということです。
温度管理は0.1℃単位で可能
設定については0.1℃単位で変更可能です。 かなり細かく設定できます。
キャリブレーション(温度校正)ができる
キャリブレーション機能を通じて、手持ちの温度計と温度を一致させることができるようになってます。 便利です。
アラームも使える
アラーム機能もあります。 僕は基本的には鳴らないでほしいので、ヒーターの故障で温度が上がらないケースを想定して、通常より低めの22℃あたりに設定しています。 もしこの値を超えて温度が下がるとアラーム(ブザー音)がなる寸法です。 当然ですがアラームには冷却用と加温用の2つが用意されています。
値段も手頃
ここまで色々できるのに、値段が4,000円ちょっと。 他のサーモスタットとそんなに変わらない値段です。 ほぼ無名なメーカーという点を除けば、「買わない理由がない!」ということで買ってみた次第です。
約1ヶ月間使ってみた感想ですが、特に不具合もなく確実に買って正解。 海外でも評価が高いので、たぶんそんなに簡単には壊れないと思われます。
コンセントが3ピンです
海外向けに作られてるためか、コンセントの形状が3ピンになっています。 比較的新しい住宅の中には対応しているところもあったりしますが、大抵は通常の2ピンに変換するためのアダプタが必要になってきます。 事前に用意しとかないと使えないので、急ぎの場合は忘れずに。
操作方法は意外と簡単
操作に必要なボタンは3つのみ。 そのうち2つは設定温度等の数値変更に使うための上下ボタンで、残りのSETボタン(中央のボタン)を使って、設定変更モードへの移行と設定変更の決定、設定項目の移動を行います。
説明書は英語ですが、仕組みは物凄くシンプルです。 設定変更モードへはSETボタンの長押しで移行し、設定変更モード中はSETボタンを押すごとに、設定項目が切り替わるようになっています。 そして内容の決定(設定変更モードの解除)には、もう一度SETボタンの長押しをするだけ。
あとはどのモードが何を表しているかさえ分かれば大丈夫です。
設定項目(モード)一覧
僕が購入した時点では日本語での解説はついてなかったので、簡単な説明ですけど、一覧でまとめておきます。
モード | 正式名称 | 内容 | 設定例 |
---|---|---|---|
TS | Temperature Set Value | 設定温度についての項目 | 25.0℃ |
HD | Heating Differential Value | 何度下がったら加温するか | 1.0℃ |
CD | Cooling Differential Value | 何度上がったら冷却するか | 1.0℃ |
AH | Alarm High Limit | アラーム上限 | 28℃ |
AL | Alarm Low Limit | アラーム下限 | 22℃ |
PT | Compressor Delay | 冷却装置のコンプレッサーが損傷しないようにするためのディレイ時間。コンプレッサーを使用しない機材なら0で問題ない。 | 0(minute) |
CA | Temperature Calibration | 温度校正する場合に使う | 0.0℃ |
CF | Display in Fahrenheit or Centigrade | 華氏(°F)と摂氏(℃)のどちらを使うか | C |
以上、今日はこれにて!